大学院では電気系を専攻していたが、実態は「飲み会中心で終わっていた大学生活」。
専門知識はほぼゼロで修了。
それでも一応推薦パワーで日系の大手電機メーカーに就職し、そして製品内の制御基板を設計する部署に配属された。
正直、製品(例えばドライヤー)の中に入っている制御基板なんて、自分が設計できるのか??と不安しかなかった笑
部署に配属されてから4年。
今どうなっているのか、実情をまとめてみる。
自己紹介
日系の大手家電メーカー勤務。4年目。
製品に搭載されている制御装置の設計担当をしている
だいたい常に10製品を担当しており、製品に愛着は無い
専門知識ほぼ無しで大手電気メーカーに就職した

結論、なんとかなってる。
クレームも開発停止レベルの炎上も、これまでゼロ。
専門知識のないままでも仕事が成立している理由を冷静に考えてみた。
これから電機系に就職を考えている人の参考になれば嬉しい。
・流用設計で進めることが多い
弊社では「新規設計」よりも「流用設計」の方が圧倒的に多い。
製品毎に一から回路設計をする必要がなく、既存の回路構成をベースに多少の変更を加えるだけで成立することはよくある。
また、既存の回路であれば設計手順書もそれなりに整備されており、専門知識がなくてもなんとかなる。

・先輩社員に聞きやすい
うちの会社では、座学形式の教育はあまりない。
代わりにOJTで仕事を覚えていくのが基本スタイル。
そのため、わからないことがあったら素直に聞けばだいたい教えてくれる。
・間違った設計は都度指摘される
制御基板の設計が終わると、レビューが入る。
ベテラン社員や上司による点検で、クリティカルなミスはだいたいこの時点ではじかれる。
・間違った設計は評価ではじける
仮にレビューで指摘されずにそのまま進んだとしても、整った評価項目に沿って評価を実施していくと間違った設計や製品仕様を満たさない設計ははじける。
品証に評価される前に気づくことができるので、そこまで大きな問題にはならない。
もちろん、課内での後戻りにはなるので上司からはなぜそんな設計をしたのか詰められるが、課内の問題なので小さい話だ。
・業務をやりながら自然と覚えることが多い
上記までの話をまとめた話になるかもしれないが、過去の設計を流用しつつ、先輩社員に聞きつつ、ベテラン社員から設計について指摘をもらいつつ、評価で妥当性確認するを繰り返していくと、弊社製品の設計の基礎みたいなものは自然と身につく。
新規設計には対応できていない

ただし、これまで話してきたのは「既存ベースの設計」の場合の話。
これまでにない機能やパワー感を実現しようと思ったときには、さすがに既存流用があまり効かず新規設計が必要になる。
業務時間内に知識を吸収して対応するのは時間的に正直無理。
どうしても業務外での学習(自宅学習)は不可避。
僕自身、ちょうど新規設計に片足を突っ込んでいるくらいの段階だが、仕様を満たすためにどのような設計をすればいいのか、何かが最適なのか、この設計は量産までできるのかさっぱりわかりません。
ただし、もちろん頼れば先輩社員が助けてくれるので、詰むことは無さそうという安心感はありつつも、勉強はしていく必要がありそう。
まあ、なんだかんだなんとかなっているという話でした。
まとめ
専門知識がなくても制御基板の設計ができている理由は、以下の通り。
・過去の設計手順書の充実さ
・先輩社員によるOJT
・レビューや評価項目など不備をはじける仕組みの充実
という感じで、何の専門性もない大学生上がりでも業務ができるような仕組みが整っている大手の強みを活かした結果でした。
以上、
最後まで読んでいただきありがとうございます。
下記の記事では、メーカー勤務の残業について語っている。よかったら読んでみてください。