※この記事の内容は全てフィクションです
これからメーカーで働く人、働きたい人に「メーカーの働き方ってこんな感じだよ」って伝われば嬉しいです。
今回は「大学の研究の回路設計と企業の回路設計の違いについて」というテーマで話させてください。
自己紹介
日系のちょい大手家電メーカー勤務。
製品に搭載されている制御基板の設計~量産立ち上げ担当をしている。
趣味はブログ。
回路設計業務について
僕はとある家電メーカーで、いろんな家電に入ってる制御基板のハード設計から量産立ち上げまで担当してます。
ドライヤーとかね。

この制御基板の立ち上げ業務で重要なスキル、それが回路設計なんですよね。
「回路設計」と聞くと難しそうと思うかもしれませんが、お見事! 正しいです。
ハッキリ言ってゲロ吐くくらい難しいです。
僕自身、全然理解できていないという話は前の記事でもしてます。
そんな回路設計ができない僕ですが、大学では一応、回路設計系の研究室に所属していました。
研究室では、企業から渡された設計要件を満たす新規回路を設計して、それをそのまま修士論文にする、いわゆる共同研究的なことをしていました。
一見難しそうなことを書いていますが、教授に媚びを売りまくってなんとか修了できただけで、企業の設計要件を満たす回路設計は結局完了しませんでした笑
大学でも優秀ではなかったし、会社でも回路設計が理解できていない素人なんですが、そんな素人でも「大学の回路設計」と「企業の回路設計」の違いはなんとなく感じれているので簡単に話します。
まあ素人目線の話なので、ザックリ話です。
僕が少なくとも考慮していなかった項目がこちら。
「大学の回路設計」と「企業の回路設計」

・法律適合
製品を売るためには、特に海外向けだと法律(規格)に適合した安全設計が必須。
バカみたいに長い英文の規格書を読み、要求を設計に反映させる必要があります。
大学では売る目的じゃないので、そんなの気にしなくてOKですよね。
・ノイズ対策
大学では多少ノイズが乗っても、発振しそうでも、動けばOKだと思ってて。
論文が書ければ勝ち。
企業では、ノイズで誤動作がないことを確認しないといけない。
温度・電圧・負荷条件など、あらゆる条件で評価する必要がある。
評価も面倒、設計も面倒。
・量産性を考慮
大学では量産性なんて考えなくていい。
部品配置を攻めてても、調達性がゼロでも、論文が書ければOK。
企業だと、部品配置、アートワーク設計、電子部品の選定は量産性を考慮した設計が必要。
開発途中で「調達性ヤバいから部品変えろ」と言われることもあったりする…
そのたびに再設計・再評価。
・コストの徹底
大学ではコストはほぼ気にしない。
企業ではコストを鬼のように気にする必要アリ。
・あらゆる環境を考慮した設計が必要
大学でも考慮している人もいると思うけど、企業では温度(高温・低温)、振動、湿度、経年劣化、サージ・ESDなどその製品の使用用途に合わせて設計・評価が必要。
少なくとも僕が大学の頃の考えていた使用環境なんて温度くらいだった…
企業と大学の回路設計はそりゃ全然違うよね
挙げだすとまだまだあるのですが、この記事では一旦ここまでにしておきます。
(防水性、部品の限界評価、量産バラツキを考慮したマージン設計、絶縁設計などなどなどなど)
個人的な感覚だと、
大学:
動けばOK。論文が書ければOK。失敗しても誰も死なない。
企業:
誤動作すればクレーム。最悪リコール。会社の信用が飛ぶ。
この責任の違いが設計・評価に出てくるのかなと思ってます。
量産性、環境条件、サイズ、コスト、法律適合…
企業ではこれら全部を満たした最適解を求められる。
大学は新規性や論文としての成果が求められる。
どちらが難しいかは一概に言えないけど、
少なくとも 安全な製品を売る という点では企業の方が考慮する項目は圧倒的に多いと思う。
もちろん、大学は大学で企業レベルで考慮して且つ新規性もある回路を設計してる人たくさんいると思います。
あくまで僕が「大学ではこんなこと気にしてなかったな…」という話。
大学の方々に怒られない保険だけ最後にかけておきますね。
もちろん僕はこんなに考慮することが多い中で、仕様を満たす回路設計ができていません。
いや、本当に…。
以上。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
